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暮れなずむ、、、


(これは、3年ほど前、フランスの中世巡りで
出会った風景です。オーヴェルニュ地方でしたが、
正に、日が暮れようとしていました。これが
昼間だったらどんな光景が繰り広げられる
のかと一瞬頭をよぎりました。中世の城跡
の1シーンです)

思い込み
ヨーロッパ中世といいますと、自分は5世紀ごろから、15世紀ごろまでの
約1000年間と思っていました。これはまあ、常識的な見方かなと思いま
すが、皆様はいかがでしょうか?

最近、歴史史家の木俣元一さんという方の雑誌での興味深い記事に接し
あらためて歴史の区切りということについて考えさせられました。
引用させてもらいますと、

「中世とはなんでしょうか。その始まりと終わりについては、一般に5世
紀から15~16世紀とされますが、これは見方によって色々と変わりま
す。

フランスの中世史家ジャック・ル・ゴフが《中世とはなにか》という書物で
面白いことをいっています。《私は歴史的事実というのはつねに歴史家
によって作られると思っています》

《時代というのも、歴史的事実以上に作られたものなのです》。中世という
時代区分も、歴史家によって作られたものにほかなりません。

ル・ゴフ自身は、人々の暮らしは産業革命にいたるまで大きく変わっていな
いのだから18世紀まで中世だとする、《長い中世》という考え方をしめして
います」(芸術新潮3月号)。

木俣さんは「遠い未来の歴史家から見ると、現代世界も中世に含まれてしま
うかも知れませんね」と付け加えています。

歴史区分ということで、自分の思い込みと違い色々な見方があるものだなー
あらためて思ったことでした。








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イソップ

初めまして。私はこの春から大学で中世について学ぼうと思っている新米ブロガーイソップです。私もいまだに「あれ、中世ってどこまでだっけ?」と思うことがあります。
私は海外に行ったことがないのでこういう風景に憧れています。大学生になったら行こうかなぁ…。
by イソップ (2006-03-08 14:38) 

春分

産業革命を中世の終わりとするなら、まだ中世のままの国があり、中世以前の国もありそうですね。私は産業革命はまだ進行中という意識でいます。でも、欧州の話ですね。でも、それなら、まだ中世の村や地域がありそう・・・って、そこをyokuさんは歩いているのか。しかし、そこにデジカメを持ち込んだら、そこは中世か?本日は、少し小難しく考える日でした。
by 春分 (2006-03-08 20:30) 

foret

 以前、ニームからクレモンフェランまで列車で向かっていたときのことです。夜になり、乗客もあまりいない列車は闇の中を進んでいました。(街の明かりもほとんど見えないような暗さです)
 そんなとき小高い山の上に城のような建物があり、そこだけライトアップされていたのですが、宇宙の中に浮かぶ城のようで、まるで宮沢賢治の「銀河鉄道」に乗っているような気分になりました。
 本当に夢のような体験です。
 yokuさんの写真を見てそのときの気分を思い出しました。
by foret (2006-03-09 03:52) 

yoku

イソップ様
お寄り頂きありがとう。
以前、仕事で訪ねて以来中世に興味を覚えました。
いわば素人です。ブログも肩のこらないものを
目指していますが、なかなか難しいです。
これからも、素人の目線で中世歩きを報告します。
そしてこのような、他ブロガーとの対話楽しいです。
貴方様のブルグにも寄らせて頂きます。
by yoku (2006-03-09 05:05) 

yoku

foret様
よくフランスを旅していると、こんな光景に出会いますね。
夜行の汽車などで、、、。後で地図で調べたりします。
そんな旅が好きです。
by yoku (2006-03-09 05:11) 

yoku

春分様
ヨーロッパは中世以来の町、村が多い見たいです。
ですから、歩き甲斐があります。
歴史区分も、専門家が区分したわけで、人によって
変わるのでしょう。
by yoku (2006-03-09 05:18) 

空を見ていると飽きませんね、同じ風景でも空の様子でガラリと変わりますね。
山の上のシルエットは城壁でしょうか。
by (2006-03-10 22:37) 

kimuko

中世って元々悲しいんですよね。
「輝かしい古典古代」と「躍動するルネッサンス(古典古代のすばらしさ再確認時代)」の「中」間の時代、だから「中」世。
1000年以上の時代をひとくくりにして語ろう、という時点で、無理が生じるのはむしろ当然のことですよね。
学校教育でも中世(むろん世界史で、日本史ではありませんが)はいまだに「暗黒」と結びつけられたりして。
by kimuko (2006-03-11 04:02) 

yoku

kipsy様
偶々、出会ったこの城壁に後ろ髪を引かれながら
通り過ぎました。そんなことも良くあります。
それも、一期一会かと、、、。
by yoku (2006-03-11 05:34) 

yoku

kimko様
固定概念って怖いですね。中世=暗黒って条件反射
みたいに出てきます。
それと、中世と言われる時代でも、中身は大いに異なるますね。
歴史の素人の自分が言うのもおこがましいですが、、。
ロマネスク期とゴシック期一つとっても。
by yoku (2006-03-11 05:53) 

zep

「歴史的事実というのはつねに歴史家によって作られる」という視点は、すべて歴史記述を言説として捉える考え方に影響を与えていますね。それに時代区分は便宜的なものですからねぇ。今年京大の問題で引用されたベルギーのアンリ・ピレンヌは「私達が説明あるいは研究の必要から歴史に押しつける諸区分が、現実に照応するものではないことを、認めておかなければならない。そういった諸区分は、便利を旨とする表現の仕方であって、それには如何なる学問的正確さをも与えないのが至当である。」(「マホメットとシャルルマーニュ」)と述べています。ピレンヌが言いたいことは「断絶ではなく連続に着目せよ」ということでしょうね。
by zep (2006-03-12 13:40) 

yoku

zep様
アンリ・ビレンヌの記述、非常に興味深いです。
彼の翻訳本ありましたら、教えて下さい。
特に、「便利を旨とする表現の仕方」といった部分。
納得です。
留守にしてて遅くなりました、。有難う御座いました。
by yoku (2006-03-13 19:44) 

zep

 ピレンヌの本は『古代から中世へ』『ヨーロッパ世界の誕生』『中世都市』を読んだことがあります。いわゆるピレンヌ・テーゼでは『誕生』だと思いますが、『 ヨーロッパの歴史―西ローマ帝国の解体から近代初頭まで』という本が面白そうです(まだ読んでませんが)。
 「中世が暗黒時代」という見方は、過去の話でしょうね。現在ウチの学校で使ってる世界史の教科書(山川の『詳説世界史』)では、12世紀を取り上げて、文化的には「12世紀ルネサンス」の時代で、経済的には「商業ルネサンス」と修道院による「大開墾時代」であったという記述です。G.バラクラフの『転換期の歴史』、ハスキンスの『12世紀ルネサンス』なんかが名著でしょう。東大は頻繁に12世紀ルネサンス絡みの問題を出しますが、その際イスラーム文化の影響が極めて大きかったというのが強調されています。
by zep (2006-03-14 21:16) 

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