ヨーロッパ中世トレド歩き・城門その3
(ビサグラの新門)
今まで、二つの門を見てきたが、このビサグラの新門は正面玄関である。
印象からも分かるように、比較的新しい門(16世紀中ごろの創建)で
ある。しかし、最初に創られたのは、イスラム時代であるという。
ちょっと分かりづらいかも知れませんが,双頭の鷲が彫られている。
(入り口の上の部分)。これはカルロス一世の紋章であるとともに、
トレドの紋章である。
ご存知のようにカルロスはフランドル地方で育ったハプスブルク出
であり、スペイン滞在はわずか17年というあの神聖ローマ帝国
の皇帝カール一世である。彼の時代は動乱の時代でもあるが
ここでは、長くなるので省きこの紋章にちょっと触れたい。
ものの本によると双頭の鷲は古代オリエントのカルデアの最古の
町の一つシルプラの紋章だったというからオリエント起源である
わけである。この鷲、宗教的な意味を持つと同時に力の象徴で
もあったという。
カール一世の話といい、紋章の話といい興味のある話ではある
が、詳しい話は弱いので深入りはよそう。というわけでトレドの
城門は長い歴史を刻んでいる、そこにはやはりイスラムの影が
潜んでいる。繰り返しになるが、やはりトレドの歴史は重層の
歴史でもある。
(参考:トレド その歴史と芸術、世界の歴史と文化・スペイン、
エミール・マール・ロマネスクの図像学)
(カール一世は、5世の誤りでした。お詫びして訂正します)
2007-01-11 04:19
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コメント(10)
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この門はきれいな対称になっているんですね。
by uminokajin (2007-01-11 17:56)
この紋章の大きさには圧倒される存在感がありますね。
紋章の歴史も実に興味深い話題です。
by イソップ (2007-01-11 18:55)
すみませーん、カルロス1世=カール5世です。
中世の時代を下ると、趣が全然変わりますね。紋章の大きさが、近代帝国国家の到来を感じさせます。
by kimuko (2007-01-11 19:46)
重厚な門ですね。
by めもてる (2007-01-11 20:13)
uminokajin様
確かに左右対称ですね。
歴史が新しくなってよりスマートナ気がします。
by yoku (2007-01-12 05:03)
イソップ様
マール(ロマネスクの大家)は双頭の鷲に
ついてオリエント起源といっていますが
紋章の歴史ははたして、どうなっているの
でしょう。
by yoku (2007-01-12 05:06)
kimco様
アラ、アラ、粗が出ました(笑)。
付け焼刃の学習でつい。訂正します。
言われているように、中世の時代とくらべて
近代の匂いがします。かねがね、建築物は時代を
あらわすといいますか、ここにもそれが出ている
気がします。
by yoku (2007-01-12 05:12)
めもてる様
確かに重厚さを感じさせますね。
by yoku (2007-01-13 05:35)
ここまで重厚な石の「双頭の鷲」は初めてかもしれません。立派です。
by (2007-01-14 05:24)
Ikesan様
カルロス5世はフランドル地方で育った
といいますからIkesanさん居られる
オランダと関係が深いわけですね。
いいタイミングでコメントを寄越していただき
ました(笑)。中世の王様は広い範囲を行き来
していたのですね(笑)。オランダ人はヨーロッパの
あちこちをキャンピンガカーで移動していますが
これは中世と変わらないのかもしれませんね。
by yoku (2007-01-14 09:42)