キリストと皇帝
ここにナルテックス入口のモザイクに興味深い絵があります。
いろいろな本の説明によると、キリストの前に触れ伏す皇帝とあります。
ビザンティンについての碩学、尚樹啓太郎氏が明快に説明されている。
それによると、この皇帝はレオン六世であるという。
そして氏はレオン六世について、「彼はその学識と内政上の功績によって
ソフィス(賢者)と称された人物で、教会や神学にも関心が深く、敬虔な
君主であった。このモザイクは、おそらく彼が聖堂に奉納したものであろう
と述べられている。まったくもって、明快である(注)
これまで、この聖堂(アヤソフィア)のモザイクに登場した人物を紹介して来ました。
今回のモザイクをもって教会内部のモザイクについては終わりたいと思います。
さて、モザイクといえば、幸いにも自分はこれまで、ラヴェンナで聖ヴィターレなどの一連の
素晴らしいモザイク。そしてシチリアにおけるノルマンのモザイク(モンレアーレ大聖堂)
そして何といっても無視できない、ヴェネツイアの聖マルコ大聖堂など観覧して来た。
どれも、これも素晴らしかったが、そのもとはといえば、やはりビザンティンのモザイク
であろう。それが出発点であると言える。
(注:尚樹啓太郎著 東海大学出版会)
2019-12-27 15:29
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